同性同士の愛情—。それは『CCさくら』の中にさりげなく織り込まれていた。
今までにもこのテーマを描いたドラマ、映画はさほど珍しいものではないが、『CCさくら』は「子ども番組」であり、NHK教育テレビで現在なお放映中である。従来、日本の「子ども番組」において、このテーマをあつかったものはほとんど見られない。
ところが、『CCさくら』において、同性同士の愛はごく当たり前にあった。登場人物はみな、差別するでも特別視するでもなく、自然体で接していた。『さくら』の社会は理想の社会。現実には、「同性同士の愛情」はまだまだ公然と認知されてはいない。けれど、公共放送が「教育テレビ」でこういった作品を放送したことを、僕は大きな進歩だと思う。「変態的だ」とか「倫理に反する」などのクレームがあまりつかなかったらしいことも評価したい。
マイノリティー(少数派)への理解と尊重、そして真の意味での自由。人間として守るべきマナーを大切にした『CCさくら』は、素晴らしい娯楽番組であると同時にみごとな教育番組でもあったのだ。(『アニメディア』2000年8月号73ページ)